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☆日本の米生産とEUのワイン生産??

日本のコメ生産過剰とEUワイン生産過剰とは似ている
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<EUワインの過剰生産>
欧州ではワインの造りすぎが深刻な問題となり、欧州連合(EU)は大規模な生産削減などの対策を打ち出した。ワインはフランスの文化の一翼を担ってきたものであるという主張などが叫ばれ、遂には各ワイン産地選出の議員を先頭にパリの首相官邸まで2000人規模の陳情のデモ行進があり、フランス南部では過激なワイン生産者団体が、スーパーマーケットで放火や爆破などのテロがあった。過剰生産を抑えるためのEUのブドウ樹の引き抜き計画に不安を抱いている。背景にはそうした動きに対する抗議があり、テロが活発化する不安が広がっているようである。
EUは全世界のワイン生産の6割を占める、生産・輸出では圧倒的首位の座を維持しているものの、健康志向の高まりや、他のアルコール飲料に需要が分散したことなどが響き、消費は04年までの20年で11%減った。 また米国やオーストラリア、南アフリカ、チリなどの「新大陸ワイン」を中心にした輸入が04年までの5年間で2倍に増えたこともあり、競争が激化して市場シェアを食われている。EU行政機関の欧州委員会によると、10年にはEUの全生産量の15%が過剰になるという。
欧州ワイン業界ではグローバル化の波が押し迫る中で、ワイン業界での伝統の保持と世界市場での競争力の強化という二つの問題が生じている。 一時は高価なワインがもてはやされた時期がありましたが、現在はほとんど見向きもされなくなってきているようです。消費者にとっても価格がかなり大きなウェートを占めだしており、レストランでのワイン消費も減少している。レストランでのワイン消費量の減少は、価格の問題だけではなく飲酒運転の取締り強化の影響もかなり大きい。
日本の米農業政策に似ている現象がEUヨーロッパで発生しているようである。


<現状の問題と過剰生産対策>
欧州でワインの造りすぎが深刻な問題になり、欧州連合(EU)は大規模な生産削減などの対策を打ち出した。高級ワインの割合を高め、域外からの輸入品に対する競争力を高めるとともに、補助金を削減するのがねらい。欧州委は、輸入品に押され気味の安いワインの生産削減策を提案した。 今回発表された欧州ワイン生産改革の一環として、今後EU各国はヨーロッパ中の過剰なブドウ園を閉鎖し、ワイン市場の需給のバランスをとっていく計画。現在のところEU各国に存在しているブドウ園の10%を閉鎖する予定。 EUでは現在売れなかったワインを破棄するため毎年5億ユーロを費やしている、過剰ワイン破棄のための支出をやめ、競争力のないワイン畑を閉鎖するために生産者に補償金を支払うことを提案している。新戦略では過剰なワイン生産、私的な貯槽所に対する援助、輸出の際の払い戻し金、すべてを廃止。一方で全体で20万ヘクタールのワイン畑削減を目標に生産者への奨励金を増やす。現在の作付け制限を撤廃し、競争力のある高級ワインに関しては生産を自由化することを打ち出した。
 しかし、高級ワインの本場フランスが自由化に反対した。仏は「ブルゴーニュ」や「ボルドー」など有名ブランドを守るため、各ブランドについて産地やブドウ品種、生産法を法律で厳密に定めている。自由化されれば、たとえブランド名は名乗らなくても、既存の生産者への打撃になりかねない。 欧州ワイン産業では非高級ワインの過剰生産によって収益が減少しており、収益の見込めないワイン農場の改善や売上げ高の少ないワイン工場への助成金の打ち止めなどの抜本的な改革が余儀なくされている。また改革案では、欧州ワイン生産地を単純・合理化させて、より消費者に魅力的な生産地にしていく計画も組込まれている。
欧州ワイン生産者はワイン市場のグローバル化、より収益を重視する改革案に反対しており、伝統的なワイン生産方式を保守する道を模索している。 現状の欧州ワイン生産システムでは、ワイン生産地は欧州それぞれの地域に細分化されており、それぞれ別々の銘柄で出荷されている。この伝統は、その土地の気候や土壌の性質により、それぞれの味覚をもったワインが生産されることに由来する。そのため欧州ワイン生産者らは今回の生産地を海外の消費者にもわかりやすく単純化する改革に激しく反発しており、欧州ワインの伝統を破壊しようとしていると非難している。 欧州ワイン生産者らは、欧州以外の新興ワイン市場では、ワイン蒸留方法で新しい技術に依存し、使用する葡萄も特定地の葡萄にこだわらず、多種の葡萄をブレンドしている一方、欧州ワインはそれぞれ各地固有の伝統を大切にしていると主張している。

<課題解決について>
ワインの主要産地であるフランスでは、ボルドーやシャンパーニュなど一部の高級ワイン生産者が大きな利益を挙げる一方で、安価なヴァン・ド・ペイ「地方ワイン」を生む小規模な農家は苦境に立たされている。  問題は生産能力ではなく、ワインの市況を維持することにある。かつてバターなどの農産品で膨大な余剰在庫に苦しんだECは、抜本的な改革をしない限り、ワインでも同じ轍を踏みかねないとの危機感を持っている。 収益性を向上させる努力をしなくても補助金に救われに慣れた長年の体質もあり、現在実施中・今後実施計画にあるEUのワイン生産過剰政策のなかには、日本の米農業政策に似ており、何かヒントはあるのではないだろうか?。今後の欧州連合(EU)の動向を見守って参考にしてゆきたい。
◎余剰ワインをバイオ燃料の原料にする
  過剰生産のワインをバイオ燃料(バイオエタノール)に転用する。生産農家から余剰ワインを買い取ったEUが、バイオエ タノールの原料として転用する。
◎ワインを原料とした新しい商品開発をする。
  過去にはナポレオンが、ワインの生産過剰を打開するためにワインを原料とするブランデー産業の育成に力を注ぎました。ナポレオンの肖像を商標に使って売り出したところ、欧米の上流社会で人気の的になりました。以後コニャック地方の生産者はいっせいにナポレオンを商標に使いました。今日、高級ブランデーといえばコニャック、コニャックといえばナポレオンというイメージ戦略により、世界的地位を確立した。 これをヒントにワインを原料とした新しい商品開発をする。
◎EU共同で超大型醸造所
  新興国の大規模醸造所のワインに競合出来るように、EU共同で超大型醸造所を設立する。コスト競争力の強化を図る。
◎輸出の拡大
  中国やインドなど新興市場への欧州ワイン輸出を促進、販路拡大を図る。
◎作物転換
  競争力のある高品質ブドウの栽培奨励、栽培管理技術の向上などに向け、ブドウから他の作物への転作推進を平行して推進する。

k.k

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